【令和8年度予想】中小企業診断士1次試験 中小企業経営・中小企業政策|令和元〜7年度の過去問分析と令和8年度の出題予想
中小企業診断士1次試験の最終科目「中小企業経営・中小企業政策」は、毎年最も予想が当たれば一気に得点が伸びる科目です。出題範囲が中小企業白書と中小企業政策の二領域に明確に分かれており、白書の最新版と直近の政策トレンドさえ押さえれば、過去問演習だけでは到達できない水準まで得点を引き上げることができます。
本記事は、令和元年度(2019年)から令和7年度(2025年)までの本試験7回分に加え、令和5年度再試験(2023年11月実施)を含む計8回分の過去問を分野別・年度別に整理した上で、2025年4月25日に閣議決定された「2025年版中小企業白書(令和7年版)」の重点テーマと、最新の中小企業施策の動向から、令和8年度(2026年)試験の出題予想を提示するものです。
令和8年度試験で初受験を迎える方はもちろん、令和7年度に同科目で40点台に沈んでしまい再起を期している方、そして2次試験との両立で本科目の学習時間を最小化したい方にも参考になる内容です。
中小企業経営・中小企業政策はどんな科目か
本科目は、配点100点・試験時間90分で、例年おおむね40問前後が出題されます。出題構成は「中小企業経営」と「中小企業政策」のおよそ半々で、前半が中小企業白書および小規模企業白書を出典とする統計問題、後半が中小企業政策の制度問題という構造になっています。
▶ POINT
出題の元データは「2年前の白書」に固定されています。令和7年度試験では「中小企業白書 小規模企業白書 2024年版(令和6年版)」が出典として明示されており、令和8年度試験では「2025年版(令和7年版)」が主な出典になると見込まれます。
この特性が、本科目を「直前期に伸ばせる科目」たらしめている根拠です。経済学・経済政策のように体系的な理解を要する科目と異なり、最新の白書数値と直近の制度改正だけを正確に押さえれば60点ラインに到達できます。
出題範囲の二大領域
| 領域 |
主な出典 |
出題の特徴 |
| 中小企業経営 |
中小企業白書/小規模企業白書/経済センサス/法人企業統計/雇用保険事業年報 |
数値・順位・推移の暗記中心。グラフ・統計表の読み取り型 |
| 中小企業政策 |
中小企業基本法/小規模企業振興基本法/補助金制度/共済制度/金融支援制度 |
制度の対象者・補助率・期限・要件の暗記中心 |
▶ 補足
出題数は問題冊子上の通し番号で第1問〜第30問前後ですが、各設問内に複数の小問が含まれるため、実際の解答数は約40問になります。試験時間90分での1問あたりの解答時間は2分強しかなく、知識の即答性が問われる科目です。
SECTION SUMMARY
本科目は配点100点・90分。中小企業経営(白書統計)と中小企業政策(制度)が半々。出典白書は「2年前」に固定されており、令和8年度試験では2025年版白書が主出典となる。最新白書と直近の制度改正を押さえれば直前期で得点が伸びる構造である。
中小企業経営編|令和元〜7年度の出題傾向
中小企業経営の領域は、表面的には毎年違うテーマが出題されているように見えますが、過去7年分を整理すると5〜6つの定番テーマが循環していることが分かります。まず、出題された頻出テーマを年度別にマッピングします。
過去7年の頻出テーマ・マッピング
| 頻出テーマ |
R元 |
R2 |
R3 |
R4 |
R5 |
R6 |
R7 |
| 企業数・規模別構造(経済センサス) |
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| 従業者数・付加価値額の規模別構成 |
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| 売上高経常利益率・自己資本比率 |
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| 労働生産性・規模間格差 |
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| 開業率・廃業率(雇用保険事業年報) |
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| 設備投資動向(法人企業統計) |
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| 労働分配率の規模別推移 |
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| 外国人労働者・在留資格別 |
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| 海外展開(直接投資・直接輸出) |
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| 価格転嫁・取引条件 |
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| 商店街・地域経済 |
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過去7年の出題傾向から見える3つの構造
第一に、企業数と従業者数の構造問題は毎年必出です。経済センサスを出典に、規模別(大企業/中規模企業/小規模企業)の構成比を問う問題は、令和元年度から令和7年度まで7年連続で出題されています。中小企業全体で約70%の従業者数、約50%の付加価値額という基幹数値は、令和8年度でも確実に出ます。
▶ 注意
令和5年度以降、出典が「経済センサス令和3年版」に切り替わりました。令和7年度試験では従業者総数約3,300万人(中小企業約2,300万人で約70%)、付加価値額約140兆円で約46%という新しい数値が解答の前提となっています。古い「平成28年経済センサス」の数値だけ覚えていると、選択肢のひっかけに正対できません。
第三に、令和5年度以降の出題は政策連動型に変化している傾向があります。例えば令和6年度に出題された「中小企業・小規模事業者人材活用ガイドライン」、令和7年度に出題された外国人労働者の在留資格別構成比など、白書の単なる統計問題ではなく、政策テーマと連動した出題が増えています。令和8年度はこの傾向がさらに強まると見込まれます。
SECTION SUMMARY
中小企業経営は「企業数構造」「労働生産性」「経常利益率と自己資本比率」の3テーマがほぼ毎年問われる定番領域。令和5年度以降は経済センサス令和3年版にデータが切り替わり、政策連動型の設問(人材活用ガイドライン・外国人労働者など)が増加している。
中小企業政策編|令和元〜7年度の出題傾向
中小企業政策の領域は、出題範囲が広く、毎年新制度が加わるため学習負担が大きく感じられがちです。しかし過去7年分を整理すると、「定番の法体系・共済」と「最新の補助金・施策」の2層構造になっており、学習戦略を切り分けることで効率化できます。
毎年出題される「定番政策」
| 定番政策 |
出題頻度と論点 |
| 中小企業基本法 |
7年連続で出題。中小企業者の定義(業種別の資本金・従業員数)、小規模企業者の定義、基本理念が定番 |
| 小規模企業共済 |
7年中6回出題。加入対象者、掛金、共済金受取の税制が定番 |
| 中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済) |
7年中6回出題。掛金月額、無担保・無保証、借入限度額が定番 |
| 経営革新計画・経営力向上計画 |
7年連続で出題。計画期間、承認・認定主体、支援措置の違いが頻出 |
| 信用保証制度 |
7年連続で出題。一般保証/責任共有制度/セーフティネット保証/伴走支援型特別保証が頻出 |
| 中小企業投資育成株式会社 |
7年中5回出題。投資対象(資本金3億円超の中小企業含む特例)、地域別3社体制が定番 |
| 下請取引・下請代金支払遅延等防止法 |
7年中4回出題。親事業者・下請事業者の定義、4つの義務、11の禁止行為が頻出 |
▶ POINT
上記7つの定番政策で中小企業政策領域の約60%を占めます。この7つを完璧に押さえれば、中小企業政策だけで30〜35点が確保できる計算です。最新制度学習に走る前に、定番政策の暗記精度を100%にすることが先決です。
時代を反映する「トレンド政策」の変遷
定番政策と並行して、その年の補正予算・新設制度が必ず出題されます。過去7年の主な「トレンド政策」を整理すると、次の流れが見えてきます。
| 年度 |
トレンド政策(出題された新制度) |
| R元 |
事業承継税制(特例措置)、地域未来投資促進法 |
| R2 |
中小企業経営強化税制、消費税軽減税率対応 |
| R3 |
中小企業成長促進法、ものづくり補助金、持続化補助金 |
| R4 |
事業再構築補助金、事業承継・引継ぎ補助金、賃上げ促進税制 |
| R5 |
経営力再構築伴走支援、価格交渉促進月間、人材活用ガイドライン |
| R6 |
省力化投資補助金(カタログ型)、賃上げ促進税制(拡充)、M&Aガイドライン |
| R7 |
新事業進出補助金、省力化投資補助金(一般型)、中小企業活性化協議会、中小企業成長加速化補助金 |
この変遷から読み取れる重要な事実は、「公募開始から1〜2年以内の新制度は必ず出題される」という法則です。事業再構築補助金は令和3年度創設で令和4年度試験に、省力化投資補助金は令和5年度創設で令和6年度試験に出題されました。令和8年度試験では、令和7年度に新設・改訂された制度が出題対象となります。
▶ 補足
令和8年度試験で出題対象となるデジタル化・AI関連の補助金は「デジタル化・AI導入補助金」です。同制度は中小企業のクラウドサービス導入・AI実装支援を目的とする補助金として、「中小企業生産性革命推進事業」の一翼を担っています。受験生はこの新名称で押さえてください。
SECTION SUMMARY
中小企業政策は「定番政策7つ+トレンド政策1〜2つ」の二層構造。定番政策(基本法・共済・信用保証・経営革新計画・投資育成・下請法)で約60%、その年の新制度・改訂制度で約20%を占める。令和8年度は令和7年度新設の制度群が確実に出題される。中小企業経営編|令和元〜令和7年度 年度別出題テーマ一覧
頻出テーマの俯瞰だけでは見えてこない論点として、各年度で実際に問われた具体的な統計テーマを年度別に整理します。各年度の出題傾向の連続性と変化点が浮き彫りになります。
令和元年度(2019年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
企業規模別企業数の推移(1999〜2014年)、業種別企業数の減少幅比較(建設業・小売業・製造業) |
| 第2問 |
製造業の労働生産性の規模間格差、資本装備率・資本生産性の小規模企業と大企業・中規模企業の比較 |
| 第3問 |
常用雇用者数と設立年別の企業数分布、「1984年以前」設立企業の動向 |
| 第4問 |
小規模企業の個人事業者・法人別構成、常用雇用者の有無別、業種別小規模企業数の比較 |
| 第5問 |
中小企業の付加価値比率の業種別比較(中小企業実態基本調査) |
| 第6〜10問 |
設備投資・自己資本比率・売上高経常利益率・労働生産性の推移と業種別動向 |
令和2年度(2020年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
従業者総数・付加価値額に占める中小企業の割合(H28経済センサス、2015〜2016年) |
| 第2問 |
中小企業数の規模別・個人法人別構成、1999〜2016年の業種別小規模企業数と個人事業者数の推移 |
| 第3問 |
売上高研究開発費比率の規模別・業種別推移(1994〜2016年度) |
| 第4問 |
中小企業の売上高・営業利益・総資産・純資産の分布状況、赤字企業割合の推移(CRDデータ) |
| 第5問 |
業種別労働生産性の推移(建設業・卸売業・製造業・小売業・サービス業) |
| 第6問 |
開業率・廃業率の推移(1981〜2017年度)、業種別の開廃業率分布 |
| 第7〜10問 |
中小企業の海外展開、設備投資、研究開発の動向 |
令和3年度(2021年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
企業数の資本金別・常用雇用者規模別構成(H28経済センサス) |
| 第2問 |
非製造業の小規模企業の中小企業数・従業者数に占める割合 |
| 第3問 |
企業規模別・業種別の資本装備率(製造業・非製造業の比較) |
| 第4問 |
2012〜2016年の企業規模間移動状況、規模拡大企業と規模縮小企業の比較 |
| 第5問 |
業種別の労働生産性の規模間格差(建設業・製造業・小売業) |
| 第6問 |
企業規模別の労働分配率・営業純益の付加価値額に占める割合の推移(2000〜2018年度) |
| 第7問 |
中小企業の設備投資の目的(2007年度比較)、維持・補修・更新と既存事業部門の売上増大 |
| 第8問 |
業種別・従業員規模別の研究開発実施企業割合(10業種比較) |
| 第9〜10問 |
中小企業の資金繰り・金融機関借入金の動向 |
令和4年度(2022年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
従業者数・付加価値額の中小企業割合(H28経済センサス、2015〜2016年) |
| 第2問 |
業種別の企業数構成(製造業・卸売業・小売業)、小規模企業数割合と中規模企業数割合 |
| 第3問 |
小規模企業の1社当たり売上高・売上高経常利益率の推移(2010〜2019年度) |
| 第4問 |
中小企業の労働生産性推移(2003〜2019年度、製造業・非製造業) |
| 第5問 |
業種別の労働生産性の規模間格差(小売業・宿泊飲食・製造業の比較) |
| 第6問 |
開業率・廃業率の推移(2000〜2019年度) |
| 第7問 |
企業規模別自己資本比率の推移、業種別中規模企業の借入金依存度 |
| 第8問 |
中小企業の海外展開(直接投資・直接輸出企業割合の推移、大企業との格差) |
| 第9〜10問 |
中小企業の経営状況、コロナ禍の業況 |
令和5年度(2023年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
小規模企業の業種別売上高(建設業・小売業・製造業、2015年) |
| 第2問 |
産業別企業規模別企業数(建設業・小売業・製造業、2016年) |
| 第3問 |
売上高経常利益率・自己資本比率の業種別比較(小売業・宿泊飲食・製造業、令和3年実態基本調査) |
| 第4問 |
開業率・廃業率の業種別比較(2020年度、小売業・宿泊飲食・製造業) |
| 第5問 |
交易条件指数(販売価格DI−仕入価格DI)の推移(2018〜2021年)、価格転嫁の悪化要因 |
| 第6問 |
業種別借入金月商倍率の推移(卸売業・小売業・サービス業) |
| 第7問 |
全産業に占める製造業の就業者数割合、高齢・女性就業者数の比較(2002〜2021年) |
| 第8問 |
外国人労働者の就労業種比較(技能実習・資格外活動)、建設業・製造業・宿泊飲食での内訳 |
| 第9問 |
経営力再構築伴走支援の3要素(対話・傾聴を基本、経営者の自走化、支援手法の多様性) |
| 第10問 |
中小企業の業況判断DI・先行きへの見通し |
令和5年度再試験(2023年11月)の主要出題テーマ
▶ 補足
令和5年度の本試験を受験できなかった人を対象に、2023年11月に実施された再試験です。問題冊子には「令和5年11月10日現在の内容に基づいて出題」と明記されており、本試験(8月実施)とは別個の独立した出題内容となっています。商店街実態調査・越境EC・知的財産権・外部人材活用・グロース市場上場基準など、本試験では問われなかった独自テーマが多数出題された点が特徴で、本試験よりも社会動向トピックの比重が大きい構成です。
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
中小企業の位置づけ(H28経済センサス、2016年)、企業数9割以上小規模7割、従業者数中小7割小規模3割 |
| 第2問 |
中小企業の産業別従業者総数(建設業・小売業・製造業の比較、2016年) |
| 第3問 |
自己資本比率の業種別比較(卸売業・小売業・製造業)、付加価値比率の業種別比較(小売業・宿泊飲食・製造業) |
| 第4問 |
中小企業の従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)中央値の業種別比較(卸売業・情報通信業・製造業) |
| 第5問 |
商店街実態調査(景況「まあまあである」、来街者数の動向、減少要因「地域の人口減少」が最多) |
| 第6問 |
越境EC(電子商取引)を利用する中小企業の課題(販売先情報不足・自社ブランド認知度・価格競争) |
| 第7問 |
取引条件改善状況調査(販売先との価格交渉機会が設けられていない要因) |
| 第8問 |
金融機関別中小企業向け総貸出残高(日銀金融経済統計月報、2016年末→2021年末比較):総貸出残高約2割増加・政府系金融機関等貸出割合の増減 |
| 第9問 |
中小企業の外部人材(フリーランス・副業人材)活用意向の業種別比較(小売業・情報通信業・製造業)、活用課題(能力見極め・出会いマッチング・管理調整) |
| 第10問 |
東京証券取引所「グロース市場」の上場審査基準(形式要件):株主数150人以上、流通株式時価総額の要件 |
令和6年度(2024年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
従業者総数の規模別構成(H28センサス2016年とR3センサス2021年の比較) |
| 第2問 |
小規模企業の企業数・個人事業者割合・付加価値額、業種別付加価値額(卸売業・小売業・製造業) |
| 第3問 |
売上高経常利益率・自己資本比率の業種別比較(製造業・卸売業・小売業、令和4年実態基本調査) |
| 第4問 |
中小企業の設備投資動向(2012〜2022年)、設備投資の優先度(維持更新・能力拡大・質的向上) |
| 第5問 |
中小企業常用労働者の業種別所定内給与額(卸売業・建設業・製造業の比較) |
| 第6問 |
1企業当たり売上高の規模別推移(大企業・中堅企業・中小企業、2009年度比) |
| 第7問 |
中小企業・小規模事業者人材活用ガイドラインの3つの人材戦略方向性 |
| 第8問 |
エクイティ・ファイナンスに関する基礎知識(定義・利用目的・メリット) |
| 第9問 |
中小企業の海外展開推移(直接輸出・直接投資企業割合、業種別海外展開実施状況) |
| 第10問 |
開業率・廃業率の推移(1981〜2021年度)、業種別開廃業率(小売業・情報通信業・製造業) |
令和7年度(2025年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第1問 |
従業者総数・付加価値額の中小企業割合(R3経済センサス、約2,300万人・約70%・約140兆円・約46%) |
| 第2問 |
産業別の中小企業付加価値額割合の比較(卸売業・建設業・小売業・情報通信業・製造業) |
| 第3問 |
企業規模別企業数の推移(1999年→2021年、小規模企業と中規模企業の比較) |
| 第4問 |
中小企業(法人)の売上高経常利益率と自己資本比率(全業種平均6%・25%の比較)、業種別比較 |
| 第5問 |
外国人労働者数の在留資格別推移(技能実習・資格外活動・専門的技術的分野・身分に基づく) |
| 第6問 |
大企業と小規模事業者の労働生産性の差(小売業・宿泊飲食・製造業の比較) |
| 第7問 |
企業規模別設備投資額の推移(2012年度→2021年度、大企業と中小企業の比較) |
| 第8問 |
労働分配率の規模別推移(1990〜2022年度、大企業と中小企業の比較) |
| 第9問 |
人手不足への対応の取組(採用・正社員登用、省力化投資・外注・下請化、福利厚生・再雇用) |
| 第10問 |
中規模企業の借入金依存度・1社当たり総資産の比較(2006年度→2022年度) |
SECTION SUMMARY
中小企業経営編は7年すべてで第1問・第2問が「企業数・従業者数の規模別構造」。労働生産性は7年中6回、自己資本比率・経常利益率は直近3年で連続出題。令和8年度試験でも第1〜4問は同じ構成で確実に出る。
中小企業政策編|令和元〜令和7年度 年度別出題テーマ一覧
中小企業政策の出題は、定番制度(中小企業基本法・小規模企業共済・経営セーフティ共済・信用保証・補助金)が毎年姿を変えて問われる一方、その年に新設・改訂された制度が必ず1〜2問は混ぜ込まれます。年度別の出題テーマを把握することで、どの制度が「定番化」しているかが見えてきます。
令和元年度(2019年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11〜13問 |
中小企業基本法(中小企業者・小規模企業者の定義、基本理念、施策の基本方針) |
| 第14〜16問 |
経営革新計画、経営力向上計画、中小企業等経営強化法 |
| 第17〜19問 |
下請代金支払遅延等防止法、下請振興基準、価格交渉力強化 |
| 第20〜23問 |
小規模企業共済、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)、中小企業退職金共済 |
| 第24〜26問 |
信用保証制度(一般保証・セーフティネット保証・伴走支援型)、信用補完制度 |
| 第27〜30問 |
事業承継税制(特例措置)、地域未来投資促進法、ものづくり補助金 |
令和2年度(2020年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11〜13問 |
中小企業基本法(中小企業者・小規模企業者の定義、施策の方針)、小規模企業振興基本法 |
| 第14〜16問 |
経営革新計画、経営力向上計画、ものづくり補助金 |
| 第17〜19問 |
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)、新型コロナ対策資金、セーフティネット貸付 |
| 第20〜23問 |
中小企業倒産防止共済、小規模企業共済、信用保証制度 |
| 第24〜26問 |
中小企業経営強化税制、消費税軽減税率対応、賃上げ促進税制(旧所得拡大促進税制) |
| 第27〜30問 |
事業承継税制、地域未来投資促進法、中小企業投資育成株式会社 |
令和3年度(2021年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11〜13問 |
中小企業基本法、小規模企業振興基本法、中小企業成長促進法 |
| 第14〜16問 |
ものづくり補助金、持続化補助金、デジタル化・AI導入補助金 |
| 第17〜19問 |
マル経融資、女性・若者・シニア起業家支援資金、新規開業資金 |
| 第20〜23問 |
経営セーフティ共済、小規模企業共済、中小企業退職金共済、信用保証制度 |
| 第24〜26問 |
中小企業経営強化税制、賃上げ促進税制、設備投資減税 |
| 第27〜30問 |
事業承継税制、経営革新計画、経営力向上計画、地域団体商標 |
令和4年度(2022年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11〜13問 |
中小企業基本法、小規模企業振興基本法、中小企業憲章 |
| 第14〜16問 |
事業再構築補助金、ものづくり補助金、事業承継・引継ぎ補助金 |
| 第17〜19問 |
マル経融資、新型コロナ対策資金、信用保証協会の特別保証 |
| 第20〜23問 |
小規模企業共済、経営セーフティ共済、中小企業投資育成株式会社 |
| 第24〜26問 |
賃上げ促進税制、中小企業経営強化税制、事業承継税制 |
| 第27〜30問 |
下請代金法、経営革新計画、地域未来投資促進法、商工会・商工会議所 |
令和5年度(2023年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11〜13問 |
中小企業基本法(中小企業者・小規模企業者の定義)、小規模企業振興基本法 |
| 第14〜16問 |
ものづくり補助金、事業再構築補助金、持続化補助金 |
| 第17〜19問 |
マル経融資、女性・若者・シニア起業家支援資金、価格交渉促進月間 |
| 第20〜23問 |
経営セーフティ共済、小規模企業共済、中小企業退職金共済 |
| 第24〜26問 |
中小企業経営強化税制、賃上げ促進税制、事業承継税制 |
| 第27〜30問 |
経営革新計画、経営力再構築伴走支援、人材活用ガイドライン |
令和5年度再試験(2023年11月)の主要出題テーマ
▶ 注意
本試験と大きく異なるのは、第11〜14問が政策編の枠ながら統計問題(休廃業件数・知的財産権・経営者年齢・経営課題)が出題された点です。また、第17問SBIR制度、第19問中小企業組合等課題対応支援事業補助金、第20問模倣品対策支援事業、第22問流動資産担保融資保証制度、第23問雇用調整助成金など、本試験では問われない独自の制度が多数出題されました。共済制度(小規模企業共済・経営セーフティ共済)の出題がなかった点も特異です。
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11問 |
休廃業・解散件数の推移(東京商工リサーチ調査、2014〜2021年):増加傾向、損益別構成(過半数が黒字)、代表者年齢の構成比変化(60代減・70代以上増) |
| 第12問 |
中小企業の知的財産権の出願件数比率(特許庁行政年次報告書2021年版):商標権・意匠権・特許権の順序、商標登録出願は2016→2020年で上昇、マドプロ国際登録出願の動向 |
| 第13問 |
中小企業の経営者年齢構成比(中小企業白書2022年版・帝国データバンク企業概要DB):大企業との比較、業種別の経営者就任経緯(不動産業で「同族継承」が「創業者」を上回る) |
| 第14問 |
中小企業の経営力及び組織に関する調査:重視する経営課題(人材・商品サービス開発・ICT活用の順序)、従業員に求めるスキル(コミュニケーション力・営業力・ITの順序) |
| 第15問 |
中小企業基本法:中小企業者の範囲(養豚業の農業法人・駐車場業の業種特性)、小規模企業者の範囲(資本金・従業員数の組合せ判定)、第5条の基本方針 |
| 第16問 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(事業計画3〜5年、付加価値額年率3%以上、給与支給総額1.5%以上、事業場内最低賃金+30円以上、デジタル枠・グリーン枠・グローバル市場開拓枠) |
| 第17問 |
SBIR制度に基づく支援(科学技術・イノベーション創出活性化法):税額控除(20〜35%)、信用保証特例、特許料減免、日本政策金融公庫の特別利率融資 |
| 第18問 |
女性、若者/シニア起業家支援資金(日本政策金融公庫中小企業事業):対象者属性(女性・35歳未満・55歳以上)、設備20年以内・運転7年以内、土地取得資金の対象可否 |
| 第19問 |
中小企業組合(事業協同組合・企業組合、中小企業等協同組合法、株式会社への組織変更可)、中小企業組合等課題対応支援事業補助金(補助率10分の6、全国中央会サポート) |
| 第20問 |
模倣品対策支援事業(海外で産業財産権侵害を受ける中小企業向け、補助率2/3、上限400万円、現地侵害調査・行政摘発費用助成、警告文・取締費用は対象外) |
| 第21問 |
創業関連保証制度(信用保証協会):6ヶ月以内の創業具体的計画、原則無担保・無保証、保証期間10年以内、保証限度額の判定 |
| 第22問 |
流動資産担保融資保証制度(売掛債権・棚卸資産担保):保証限度額2億円、個別保証方式1年以内、債権譲渡登記制度、法人代表者以外の保証人徴求あり |
| 第23問 |
雇用調整助成金(厚生労働省):中小企業助成率2/3、雇用保険基本手当日額最高額の80%限度、支給限度日数1年100日・3年150日 |
令和6年度(2024年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11問 |
企業の社齢別(0〜4年・10〜21年・32年以上)の常用雇用者純増数 |
| 第12問 |
中小企業の人材確保方策(給与水準引き上げ・シニア人材活用・長時間労働是正) |
| 第13問 |
製造業における価格転嫁の状況(エネルギー価格・原材料価格・労務費) |
| 第14問 |
業種別中小企業数(建設業・小売業・製造業、2009年→2016年比較) |
| 第15問 |
地域課題解決事業の取組状況、収支状況、資金調達方法 |
| 第16問 |
総資本営業利益率の規模別推移(1980年→2020年、中小企業と大企業・中堅企業) |
| 第17問 |
中小企業基本法(中小企業者・小規模企業者の範囲、基本理念・施策方針) |
| 第18問 |
マル経融資(指導要件・居住要件・融資限度額2,000万円・返済期間) |
| 第19問 |
中小企業退職金共済制度(掛金非課税・国の助成・短時間労働者の特例) |
| 第20問 |
下請中小企業振興法の振興基準(2022年度全面改定、価格交渉促進月間) |
| 第21問 |
流通業務総合効率化法、事業協同組合、高度化融資、中小企業投資育成株式会社特例 |
| 第22問 |
経営革新計画(5年で付加価値額15%以上向上+給与支給総額7.5%以上向上) |
| 第23問 |
下請代金支払遅延等防止法(資本金区分による適用範囲、4義務11禁止行為) |
| 第24問 |
中小企業省力化投資補助事業(カタログ型、汎用製品、付加価値額3%以上、賃上げ要件) |
| 第25問 |
産業競争力強化法に基づく創業支援(市区町村との連携、創業関連保証の特例) |
令和7年度(2025年)の主要出題テーマ
| 設問 |
出題テーマ・論点 |
| 第11問 |
ローカルベンチマーク(財務6指標・業務フロー・4つの視点) |
| 第12問 |
売上高研究開発費比率の規模別推移(1991〜2021年度) |
| 第13問 |
損益分岐点比率の規模別推移(1990〜2022年度、大企業・中規模企業・小規模企業) |
| 第14問 |
倒産件数の推移(2009〜2023年)、コロナ禍後の動向 |
| 第15問 |
年代別雇用者数・女性従業者数割合の規模別構成(2022年就業構造基本調査) |
| 第16問 |
休廃業・解散企業の規模別動向(赤字黒字割合、経営者平均年齢) |
| 第17問 |
製造業の設備投資(有形・無形固定資産の比較、2015〜2023年) |
| 第18問 |
開業費用の平均値・中央値の推移(2013年度→2023年度、日本政策金融公庫調査) |
| 第19問 |
製造業と全産業の賃金格差・男女間賃金格差(2005〜2023年) |
| 第20問 |
新規開業・スタートアップ支援資金(若年者35歳未満・高齢者55歳以上、運転20年・設備20年) |
| 第21問 |
中小企業基本法(小規模企業の経営資源確保、小売業の定義5,000万円50人、労働施策) |
| 第22問 |
ものづくり補助金(付加価値額年平均3%以上、給与支給総額2%以上、事業場内最低賃金+30円) |
| 第23問 |
経営セーフティ共済(掛金月額5千〜20万円、借入限度8,000万円、無担保無保証) |
| 第24問 |
中小企業向け賃上げ促進税制(雇用者給与等支給額2.5%増で30%控除、教育訓練費・女性活躍上乗せ) |
| 第25問 |
中小企業成長加速化補助金(売上高100億円超を目指す、補助上限5億円、補助率1/2) |
| 第26問 |
信用保証制度(普通保証2億円・無担保保証8,000万円、セーフティネット保証は市町村認定別枠) |
| 第27問 |
交際費課税の特例(資本金1億円以下、800万円までの全額損金算入、接待飲食費50%選択) |
| 第28問 |
地域未来投資促進法(地域経済牽引事業計画、優遇措置・課税特例・規制特例) |
| 第29問 |
経営革新計画(3〜5年で付加価値額年率3%以上、給与支給総額年率1.5%以上) |
| 第30問 |
事業承継税制(贈与税・相続税猶予、特例措置の株式数上限撤廃、最大3人への承継緩和) |
年度別出題から見える「定番制度」と「新規制度」の出題確度
過去7年の年度別出題テーマを通覧すると、中小企業基本法は7年連続出題、経営革新計画は6年連続出題、小規模企業共済・経営セーフティ共済・信用保証制度は6〜7年連続出題という強い定番性が確認できます。これらは令和8年度も確実に出題される対象です。
▶ POINT
新規制度は「公募開始から1〜2年以内に必ず登場する」パターンが顕著です。事業再構築補助金(令和3年創設)→令和4年度試験、省力化投資補助金カタログ型(令和5年創設)→令和6年度試験、中小企業成長加速化補助金(令和6年創設)→令和7年度試験という規則性があります。
この法則を令和8年度に当てはめると、令和7年度に新設・改訂された「新事業進出補助金」「省力化投資補助金(一般型)」「下請法改正(取適法)」「賃上げ促進税制の繰越控除拡充」が出題される確度が極めて高いことが分かります。
SECTION SUMMARY
中小企業政策編の出題は「定番制度7年連続出題」+「新制度の1〜2年以内出題ルール」の二層構造。令和8年度試験は新事業進出補助金・省力化投資補助金(一般型)・改正取適法・賃上げ促進税制繰越控除が新規出題の最有力候補となる。
令和8年度の出題予想|中小企業経営編
令和8年度試験の中小企業経営の出題は、「2025年版(令和7年版)中小企業白書・小規模企業白書」を主出典とします。同白書は2025年4月25日に閣議決定され、テーマとして「経営力」を中核に据えています。
背景には、円安・物価高の継続、「金利のある世界」の到来による生産・投資コスト増、構造的な人手不足という三重の環境変化があります。この白書の構成と中小企業庁が公表した重点メッセージから、令和8年度試験で出題が見込まれる7つのテーマを提示します。
予想テーマ7選
| No. |
予想テーマ |
押さえるべき論点 |
| ① |
「金利のある世界」と借入金利水準判断DI |
2024年以降の金利上昇局面における中小企業の借入金利水準判断DIの推移、2006〜2007年以来の高水準であること、業種別の借入金依存度との関係 |
| ② |
業況判断DIと業種別景況 |
2023年上半期のピークアウト後の足踏み傾向、製造業・建設業がコロナ前水準まで回復していない構造、非製造業との対比 |
| ③ |
賃上げと労働分配率 |
2024年春闘で約30年ぶりの賃上げ率達成と大企業との格差拡大、中小企業の労働分配率が約8割という構造的制約、業績改善を伴わない賃上げの動向 |
| ④ |
構造的人手不足と外国人労働者 |
業種別の人手不足感、不足職種、外国人労働者の在留資格別構成(特定技能の拡大、技能実習から育成就労への移行) |
| ⑤ |
価格転嫁の進展度合い |
価格転嫁力指標と実質労働生産性の関係、業種別の価格転嫁率、コスト要素別(原材料費/労務費/エネルギー費)の転嫁状況の違い |
| ⑥ |
スケールアップと成長の壁 |
売上高規模別に異なる「成長の壁」、補完型人材の確保、経営者の職務権限分散、売上高100億円超を目指す経営人材・DX人材の確保 |
| ⑦ |
M&A・海外展開・イノベーション |
企業規模拡大の3手段としてのM&A、海外展開、イノベーションの実施状況、中小M&Aガイドラインの改訂内容 |
▶ POINT
特に出題確度が高いのは①「金利のある世界」と③「賃上げと労働分配率」です。前者は2025年版白書の冒頭分析で大きく扱われており、後者は政府の最重要政策テーマである賃上げと直結しているため、政策科目との接続点としても問われやすい構造になっています。
SECTION SUMMARY
令和8年度は2025年版白書がベース。テーマ「経営力」を軸に金利・賃上げ・人手不足・価格転嫁・スケールアップ・M&Aの7テーマが出題候補。①金利のある世界と③賃上げ・労働分配率が最有力。
令和8年度の出題予想|中小企業政策編
中小企業政策の領域では、令和7年度(2025年度)に創設・改訂された制度が令和8年度試験の出題対象となります。「定番政策」7テーマに加えて、最新の制度トレンドから出題が見込まれるものを整理します。
予想テーマ7選
| No. |
予想テーマ |
押さえるべき論点 |
| ① |
新事業進出補助金 |
事業再構築補助金の後継制度。補助上限額、補助率、対象経費、賃上げ要件、新市場進出の定義 |
| ② |
省力化投資補助金(一般型) |
カタログ型から一般型への拡充、オーダーメイド設備の対象化、補助上限額、付加価値額向上要件 |
| ③ |
中小企業活性化協議会 |
旧中小企業再生支援協議会の後継組織、収益力改善・再生・再チャレンジの3支援、各都道府県47か所の体制 |
| ④ |
経営力再構築伴走支援 |
対話・傾聴を基本とする支援手法、経営者の自走化と潜在力、3つの支援要素、認定支援機関の役割 |
| ⑤ |
賃上げ促進税制(中小企業向け) |
通常要件と上乗せ要件、繰越控除制度(最大5年)、教育訓練費要件、女性活躍・子育て支援要件 |
| ⑥ |
中小M&Aガイドライン・仲介ルール |
第3版改訂内容、M&A支援機関登録制度、手数料の透明化、利益相反の管理 |
| ⑦ |
下請法改正(新名称:取適法) |
2026年1月施行予定の下請法改正、対象取引拡大、買いたたき防止強化、価格交渉促進の制度化 |
▶ 注意
特に注目すべきは①新事業進出補助金と②省力化投資補助金(一般型)です。両者とも令和7年度に新設・拡充された主力補助金であり、過去の傾向(事業再構築補助金は創設翌年度に出題)から見て令和8年度試験での出題は確実と判断できます。補助上限額、補助率、対象経費、賃上げ要件の4点を正確に暗記してください。
SECTION SUMMARY
令和8年度政策編は新事業進出補助金・省力化投資補助金(一般型)・中小企業活性化協議会・経営力再構築伴走支援・賃上げ促進税制・中小M&A・改正取適法の7テーマが最有力。各制度の補助上限・補助率・対象者・要件を正確に押さえる。
合格点突破のための学習ロードマップ
中小企業経営・中小企業政策は、闇雲に過去問演習を繰り返しても得点は安定しません。本科目で60点を確保する学習ロードマップは、「定番テーマの完全暗記」+「最新白書の重点読み」+「直近2年の補助金制度の集中学習」の3段構成が最適です。
学習フェーズ別の優先順位
| フェーズ |
取り組む内容 |
学習比重 |
| 基礎期(〜4月) |
中小企業基本法・小規模企業振興基本法の体系、中小企業者・小規模企業者の定義(業種別資本金・従業員数)の完全暗記 |
30% |
| 応用期(5月〜6月) |
2025年版(令和7年版)中小企業白書の重点章を読み込み、企業数・従業者数・付加価値額・労働生産性の最新数値を暗記 |
40% |
| 直前期(7月〜本試験) |
新事業進出補助金・省力化投資補助金など最新制度の補助上限・補助率・要件を集中暗記。過去7年分の本試験+R5再試験を合わせた8回分の過去問を3回転 |
30% |
学習で避けるべき3つの罠
▶ 注意
第一の罠は「古い白書の数値で覚えてしまう」こと。市販テキストは前年度試験対策仕様であるため、最新版白書の数値とずれている箇所が必ずあります。令和8年度受験者は、2025年版白書の概要資料を必ず一次情報で確認することが重要です。
第二の罠は「補助金の細部に深入りしすぎる」こと。本試験で問われるのは補助上限額、補助率、対象者、賃上げ要件といった大枠の数字であり、公募要領の細部までは出題されません。
第三の罠は「中小企業経営に時間を割きすぎる」こと。中小企業経営は出題範囲が膨大で、努力に比してリターンが小さい領域。学習時間の比重は政策6:経営4を目安としてください。
SECTION SUMMARY
学習は基礎期(基本法)→応用期(最新白書)→直前期(新制度暗記+過去問8回分)の3段構成。学習比重は政策6:経営4。古い数値・細部深入り・経営偏重の3つの罠を避ければ60点突破は十分可能。
本記事の全体まとめ
KEY POINTS
令和8年度試験 中小企業経営・中小企業政策 攻略の5つの要点
① 出典白書は2025年版
令和8年度試験の中小企業経営の出典は2025年版(令和7年版)中小企業白書。テーマは「経営力」、背景は金利・物価高・人手不足の三重課題。
② 経済センサスは令和3年版へ
企業数・従業者数・付加価値額の出典は「令和3年経済センサス-活動調査」。中小企業の従業者総数約2,300万人(約70%)、付加価値額約140兆円(約46%)が基幹数値。
③ 新制度の出題は確実
新事業進出補助金、省力化投資補助金(一般型)、中小企業活性化協議会、改訂下請法は出題確度が極めて高い。補助上限・補助率・対象者・賃上げ要件を完全暗記。
④ 学習比重は政策6:経営4
政策は固定的で得点しやすい。経営は範囲が広く労力対効果が低い。学習時間配分を間違えないことが、60点突破の最重要要素。
⑤ 過去問は本試験7回+R5再試験の計8回分
令和元〜令和7年度の本試験7回分に加え、令和5年度再試験(2023年11月)も商店街・越境ECなど独自論点が出題されており、計8回分を演習対象とすることで出題パターンを網羅できる。
よくある質問(Q&A)
Q
中小企業経営・中小企業政策の合格ラインは何点ですか?
A
1次試験全体としては7科目平均60点で合格となります。本科目単独では40点未満で足切り対象となるため、最低でも50点台確保、できれば60点以上を目指してください。配点が小さい問題に時間を取られず、配点の大きい定番政策で確実に得点する戦略が有効です。本科目は努力が反映されやすい科目であり、直前期の追い込みで一気に得点が伸びる構造になっています。
Q
中小企業白書は全文読むべきですか?
A
全文を読む必要はありません。中小企業庁が公表する「2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要」(PDF)のみを精読する方式が最も効率的です。概要版は40〜50ページ程度で、出題される主要図表がほぼ網羅されています。本文を全文読むと数百ページに及ぶため、受験対策としては概要版+市販テキスト+過去問の3点セットで十分です。概要版は中小企業庁ホームページから無償でダウンロードできます。
Q
補助金制度はどこまで暗記すべきですか?
A
主要補助金(ものづくり補助金、持続化補助金、新事業進出補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)について、補助上限額、補助率、対象者、補助対象経費、賃上げ要件の5項目を暗記してください。公募要領レベルの細部までは不要です。試験で問われるのは制度の骨格部分であり、補助金実務家の知識を競う必要はありません。
Q
過去問は何年分やればよいですか?
A
過去5年分を3回転、過去7年分+令和5年度再試験の計8回分を1回転が目安です。本科目は出典白書が毎年更新されるため、古い過去問の数値はそのままでは使えません。ただし、過去問を解くことで「出題のされ方」を体得することは大いに意味があります。特に直近3年(令和5年〜令和7年度)の本試験+令和5年度再試験の過去問は、出題形式の傾向を読むうえで必須教材です。10年以上前の過去問はコストパフォーマンスが低くなります。
Q
中小企業経営と中小企業政策、どちらが得点しやすいですか?
A
中小企業政策の方が得点しやすい構造です。政策は法律・制度・補助金という固定的な対象を扱うため、暗記が得点に直結します。一方の中小企業経営は白書の統計問題であり、出題範囲が膨大かつ毎年更新されるため、暗記対効果が低い領域です。両領域はおおむね半々の出題比率ですが、政策で確実に得点を稼ぎ、経営は半分取れれば十分という戦略を推奨します。
Q
「金利のある世界」というテーマは本当に出題されますか?
A
出題確度は極めて高いと判断できます。2025年版中小企業白書の概要では、「金利のある世界」が冒頭の現状分析セクションで最初に取り上げられており、白書全体を貫く問題意識として位置付けられています。中小企業の借入金利水準判断DIが2006〜2007年以来の高水準に達したという論点は、グラフ・統計表として出題しやすい構造になっています。借入金依存度の業種別比較や、利益への影響といった派生論点まで含めて押さえてください。
Q
新事業進出補助金は事業再構築補助金とどう違いますか?
A
新事業進出補助金は事業再構築補助金の後継制度であり、令和6年度補正予算で創設されました。事業再構築補助金が「ポストコロナ対応」を主眼に置いていたのに対し、新事業進出補助金は「新市場進出による付加価値向上」を主眼としています。補助上限は最大9,000万円(賃上げ要件達成時)、補助率は中小企業1/2など、骨格は事業再構築補助金を踏襲しつつ、要件が新市場進出の定義に整理し直されています。試験では制度名・補助上限・補助率・対象者の4点を押さえてください。
Q
省力化投資補助金のカタログ型と一般型の違いは何ですか?
A
カタログ型は事務局が事前登録した汎用設備(配膳ロボット、自動精算機など)を選択して導入する仕組みで、補助上限は従業員規模に応じて200〜1,500万円(賃上げ特例で2倍)です。これに対し一般型は、オーダーメイド設備やシステム開発も対象とした拡張版で、補助上限は最大8,000万円となります。試験では両者の対象設備の違い、補助上限額、賃上げ要件(最低賃金+50円以上、給与支給総額年率6%以上)の3点を問われる可能性が高い構造です。
Q
令和5年度再試験の問題も学習対象に含めるべきですか?
A
令和5年度再試験は学習対象に含めるべき過去問です。再試験は本試験を受験できなかった人を対象に2023年11月に実施されたもので、本試験とは独立した出題内容になっています。商店街実態調査・越境ECといった本試験では問われなかった独自テーマが出題されており、出題パターンの幅を知る上で貴重な材料です。協会の試験問題ページからダウンロード可能なので、本試験7年分とあわせて計8回分の過去問演習に組み込むことをお勧めします。
Q
中小企業経営・中小企業政策は科目合格を狙うべきですか?
A
本科目は科目合格を狙うべきではありません。理由は、出典白書が毎年更新されるため、翌年に科目合格制度(3年免除)を使っても、暗記内容が陳腐化してしまうためです。同じ60点を取るなら、毎年新しい知識で取り直した方が結果的に学習負担が小さくなります。これは経済学・経済政策や経営情報システムなどの他科目とは大きく異なる本科目の特性です。逆に言えば、本科目は1次試験全体の合格戦略上、毎回新規受験のつもりで臨むべき科目だと言えます。
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- ✅ 合格後の実務従事ポイントの取得を計画したい
- ✅ 独立診断士としてのキャリアを今から準備したい